そのこさん のまんがレポ《新着順》

多分私と同じくらいの年代の作者さんと主人公達。同じ時代を生きてきて、同じ葛藤を経験してきていると感じました。昭和の時代はこういうことってみんな少なからず経験していて、子供のころにあったそれらの違和感を伴う経験について、こうも明確に突きつけられるとは！と思いました。

子供は訳も分からず大人の汚い欲望に巻き込まれて、自分が悪いと思い口をつぐんでしまう。でもそういうのって年を重ねてやっと意味が分かることもあり、もうどうにもならないとあきらめるしかなかったりするんだよね。

作者さんはとても分かりやすい形で作品として世に出してくれていて、いろんな立場の人の気持ちを代弁してくれたように思う。紫さんや茜さんが立ち向かい克服したことで、過去の私まで救われたような思いになってしまった。作者さんありがとう。たくさんの人に届きますように。

一巻はとにかく面白い。
何度か吹き出しました。
電車の中で読んではだめです。
二巻はタイトルの意味が分かり、
ちょっとうるっと来ました。

途中に出てくるよく似た犬の家族も、
最初に出てきた同級生のうわさ話も、
そして何よりタイトルからして、
ぜーんぶ伏線だったのですね。
きれいさっぱり回収して終わってしまったので、
きっと続編は出ないだろうけど、
もうちょっとこのいい人しか出てこない優しい世界を見ていたかったな。
でもこのちょっと物足りない感じも含めて、
腹八分目って感じでよかったです。

絵は可愛いし難しい設定なのに説明臭さもなく、
全２巻と短かいのに、
すっきりとこれだけの内容が収まっていることにびっくりです。
夫婦とは、親子とは、
いろいろ考えさせられます。

ヒカル君が何度も人に期待しては裏切られ、
少しひねくれてこましゃくれた子供になってしまった、
その過程が切ないですね。
最後にもう一度信じた相手がちゃんと想いを返してくれてよかったです。

途中までは面白かった。
絵は雰囲気あるし世界観も良かった。
若干ラピュタっぽさがあるのは否めないけどね。
でも４巻で一気に訳わかんないことに、、。
敵の女将軍が急に味方になったり、
(もうちょっと心の機微を描こうよ)
謎の生き物の正体もはっきりとはわからず、
(なんであんなにご都合主義にででくるん？)
突っ込みどころが多すぎる。
地球を覆っていたものが突然なくなり、
なぜかすべて解決～って言われてもねぇ、、。
そもそもなんで地球はラッピングされてたん？
そこから説明足りてなくない？

最近の男性にこういう人は少ない気がするけど、
昔はこんな人いっぱいいた！
見た目と社会的地位があり、男として自信があり、
女性を同じ人間だと思ってないんでしょうね。
現実ではこういう人はコミュニケーション能力が高くて、
似たような同性の友達がいたりして、
女性からそっぽ向かれても別に困んないんだろうね。
逃げ得？
女は損だなぁって思う。

「どんな願いでも叶う」
そう言われたら、自分なら何を願うだろう？
お金は使えばなくなりきりがないし、
分不相応な立場を望めば実力がなくて苦しい思いをするし、
意外と難しい。
ましてリスクがあるとなれば、、。

作中で
「この世で一番つらいのは、手に入らないものをあきらめることじゃない。
今持っている大切なものをなくすこと。」
と福助が言ってますが、その通りだと思いました。
でも文ちゃんにとっては福助もその「大切なもの」だったんだけどね。

もう一回ふたを開けて、
家族として一緒に年老いていくわけにはいかなかったのかなぁ？
本当なら福助自身も幸せになってほしかった。

ストーリーや世界観がオリジナリティあふれてて、
BLであることが全く気になりません。
絵もとても個性的で美しいです。
中世っぽいファンタジーなのですが、
途中から現代の話だと気が付かせられる凝った作りです。
先が全く読めません。
残酷で美しい世界で運命に翻弄される主人公二人が、
幸せになりますようにと願いながら続刊を心待ちにしています。

筆者さんの一人暮らしの家に次々と遊びに来る野良猫たち。人にもいろんな性格の人がいるのと同じく、猫も生まれ持った性格があるらしく、個性的な猫たちとの愉快な交流には本当に笑かせてもらいました。筆者さんが必要以上に猫達の野良としての生活に深入りしていないところも好感持てます。エサをあげちゃったら責任持って飼えやってことになっちゃいますもんね。
ちょっとドライな野良猫たちとの生活も別れはちょっと切なく、猫の瞬きの意味を調べたときは、ツンデレだった三毛姉さんと筆者さんの絆を思い、ちょっと泣いちゃいました。
最後に常連だった猫たちが来なくなって、スッキリしたようなさみしいようなって所に来た新顔のハチワレ・・。続編描いてくれないかな～と、読み返すたび思います。

全然有名じゃないのにものすごく面白いから、
もっといろんな人に読んで欲しいです。

船でなければ行き来できないような故郷の小さな島で、
島民皆殺しして入れ替わりを企む、
圧倒的に強く得体の知れない物と戦う話です。
・・というとすごく荒唐無稽な話に思えるけど、
主人公はただただ故郷の大事な人を守りたいだけで、
その気持ちに感情移入して読むことが出来ます。
主人公の男の子はタイムリープの力があり、
何度も戦い、殺され、試行錯誤しつつ物語は進んでいきます。

実は私も読み終わっていないのですが、
大事に思っている幼なじみの葬式から始まっているので、
きっとハッピーエンドにはならないだろうと思われるところが切ない・・。

彼岸島と時を駆ける少女を１対４で混ぜたような、
青春要素の多い感じの作品です。

こんな中途半端で打ち切り？
あんまりじゃない？
ここまで買っちゃったのに・・。
少なくともここまでは面白かったし、作者さんは続きの構想もありそう。
絵だってオリジナリティのある安定した画風だし、私は結構好きです。
どこかで続きが見られれば良いんだけどなぁ。

世界で起こっている戦争も、こんな風にそれぞれの立場からの正義が対立して起こってるんだろうな～と、壮大なテーマに思いを馳せたくなります。この主人公みたいに保身を考えず信念に沿って真っ直ぐに突き進むことは出来ないけど、彼の周囲で影響されていった人達程度には自分も善人だと思ったりして、、。
最終巻で｢犠牲や迫害はありふれたこと｣と発言した人に対して、おまけ漫画でその人が沖縄出身であることが描かれていました。キャラクター設定が深い！！すごく考え抜かれた話だと思いました。そこで｢人間は自分がされたことを別の人間にする｣は真理だと思ったし、虐げられてもその後前向きに生きている人もいるという返しは救いでもあると思いました。現実にもこんな風に両方の立場に理解を示せる人が、世界の紛争を解決できれば良いのにね。