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トーマスアイル国の農作物を謎の疾病が襲った。王室は原因究明のため、天才科学者リブを招いた。彼女は幼い頃から天才と呼ばれ、しかも複雑な家庭環境で育ったため、恋とは無縁の人生を送ってきた。一見ひたすら地味でしかないリブだが、王子アーロンは、彼女自身も気づいていない女性らしさと魅力に大きな関心をもつ。王子のアプローチに、今まで経験したことのないときめきを感じるリブ。触れあう指が、愛を語る唇が、閉ざされていた彼女の心と体を開いていくが…!?

今夜もミシェルはクラブで歌いながら客たちの卑猥な視線にさらされていた。ロンドン生まれの令嬢ミシェルにとって、まるで悪夢のような場所。それもこれも1か月前、駆け落ち相手に裏切られてカリブに置いていかれたから――。客に一夜を買われ、恐れながらドアを開けると、そこには意外なほど上品な男性。ドレスを脱ごうとするミシェルに彼アッシュは、「ここから逃げたいかい?」と言いだして…!?(「令嬢のバラード」)。トップモデルの恋「運命がくれた愛」も同時収録。

名家の血をひきながら“ふしだら”の烙印を押され、故郷を追われたジョージーは、パリに滞在していた。孤独なクリスマスの夜、窓辺で秘密の独り遊びに耽っているところを見知らぬ男性に目撃され、彼女は死ぬほど驚いた。男性はアダムと名乗り、意気投合したふたりは夕食をともにする。まさかそのままベッドまでともにするとは予想もしなかったけれど。めくるめく一夜が明け、満ち足りた気分のジョージーだが、アダムの正体を知ったとたんに怒りが体中を駆けめぐった!

町で人気者のゲイブは、ダサい女子大生エリザベスの訪問を受けた。地方紙で報じられた彼の善行に感動し、ぜひインタビューさせてほしいというのだ。いかにも優等生タイプで絶望的に垢抜けないものの、目の覚めるような赤毛のエリザベスにゲイブは興味を覚えた。この白い肌が僕の手で鮮やかに色づく瞬間が見たい! 赤毛とともにベッドの白いシーツにさぞ映えるだろう! 彼は挑発するように告げた。「質問1回につきキス1回してくれたらインタビューに答えてあげよう」

デート中に逃げ出した男性を追いかける ために、カロナイナは乗っていた観光馬車の馬に鞭を入れた。しかし、馬は暴走 して街のあちこちを壊してしまう。警察に逮捕されたカロナイナは、有力者の伯父をあてにしたのだが、今回はうまくいかず…。その結果、ペアを組んでの1週間の労働奉仕を課せられてしまった。しかも、ペアの相手はあのハントだった。 彼は、カロナイナをわがままな金持ち娘と忌み嫌っている。こんな彼と、1週間 もふたりきりでやっていけるのかしら?

天涯孤独のアビーにとって、人工授精で授かった娘ローザはかけがえのない宝物。だから看護師をしながら女手ひとつの生活は貧しくても幸せだった。なのに――君はローザの母親として相応しくない。突然現れたイタリア人医師のニコは、自分がもう子供を作れないからと、血をわけたローザを捜しだし、娘を渡せと要求してきた。そんなこと絶対にさせないわ! アビーと娘の絆の強さを知ったニコは別の提案をする。そう、見ず知らずのふたりの結婚だ…!

ローラはその新聞に驚いた。自分とアラブの王族ユースフが、写真入りで熱愛中と報道されている。彼とは立ち話しただけなのに…。だが、ユースフの国ではこれは大事件だった。王族が財産目当ての女の餌食になる! それを防ぐべく、すぐさまユースフの従兄ターリクがアメリカに遣わされ、新聞に載ったローラという女性に近づいた。彼女を誘惑してユースフとひき離してから捨ててやる。思い知らせてやるのだ!(「華やかな嘘」より。「翡翠色の裏切り」も同時収録)

突然現れた大富豪ナッサルに、自分が遠い砂漠の国の姫だと聞かされたサラ。それもただの姫ではなく予言の力を持つ巫女姫で、中東のクルスーム王国は、はるか昔からそうした姫の力で富み栄えてきたという。確かにサラの占いはよく当たると評判で、最近立ち上げた占いサイトは大人気だけれど、まさかこの力のせいで怪しい男たちに狙われ、出会ったばかりの大富豪にプロポーズされるなんて! ナッサルは魅惑的な美しい瞳でサラに告げた。「僕と結婚するんだ。君は必ず僕が守ってみせる」

エイミーが慈善オークションの商品になったのは、ルームメイトに頼まれたから。ううん、本当はお金が欲しいからだった。リストラに遭い今は仕事もないけれど、競り落とされたら夏の6週間、家政婦として働ける。その間に仕事を探せばいい。エイミーはこうして自ら商品になり、ハリム・ロゥダと名乗るいかにも上流階級の男性に落札された。でも彼女は思いもしなかった。アラブの王族である彼に、冷たい瞳で「6週間、一歩も屋敷から出てはならない」と要求されるなんて!?

トリスターヌ・バルベリは、パーティーでギリシアの大富豪ニコスに声をかけた。「私をあなたの愛人にしてほしいの…」と。実家の負債帳消しを目論む冷酷な異母兄から命令され、さらに病気の母をたてにとられ、従うしかなかったトリスターヌ。だが命令とは言え、ニコスの圧倒的な魅力に身も心も惑わされて…。一方、ニコスは思わず勝ち誇った笑みを浮かべた。まさか宿敵バルベリ家の娘のほうから誘いをかけられるとは。思う存分利用してやろうじゃないか。

姉のキーラが事故で重体、夫のアンジェロは即死。ロンドンで働くシャノンのもとに衝撃の知らせをもたらしたのは、アンジェロの兄で、別れた恋人のルカだった。「君ひとりか?」ルカは勝手に家に上がりこみ、部屋のドアを次々と開けながら聞いた。男が隠れていないか探しているのね――怒りに身が震える。2年前ふたりは愛しあっていたが、ルカは出張中にシャノンが浮気したと思いこみ、弁解も聞かずに一方的に別れを告げたのだ。その彼とこんなふうに再会するなんて…。

ジョージーは姉の結婚式で中東の王国ザラクを訪れた。そこで目をみはるほどゴージャスな男性イブライムと出会う。彼はザラクの王子だった。ひと目で彼に惹かれたジョージーだが、どうしても一線を越えられなかった。彼女は人に言えない大きな秘密を抱えていたのだ。その数か月後、再びザラクを訪れることになり、イブライムと再会したジョージー。彼に惹かれる自分を抑えられず、すべてを捧げようと決意した。それが、ある悲劇の始まりになるとは思いもせずに…。

砂漠の国アル・ジャニーンに仕事で来た女医アレックス。しかし、異教徒嫌いの国王アザムに敵意を向けられ、宮殿を追い出されてしまう。幼い頃から憧れていたアラビアンナイトの世界でこんな目にあうなんて。帰国途中、内乱に巻きこまれた彼女はアザムとともに山村に取り残される。よそ者は安全なテントに入ることはできない。すると彼は突然アレックスに魔法のようなキスをして言った。「この窮地を乗りきる方法はひとつだけ。私と今すぐ結婚するんだ」

男性を近寄らせないクールな弁護士ジェンナ。事務所のパーティーを抜けだし、マグノリアの香り漂う庭で休んでいると、物陰から誰かに甘く囁く男性の声がかすかに聞こえてきた。「君は何が欲しい?」のぞきみたいなことをしてはいけない。でも彼らが去ったあともその声は彼女の身体を支配し、身動きひとつできなく…。官能が忘れられず、頭に声が棲みついて離れないある日、仮面舞踏会でジェンナは囁き声の主と出逢う。正体も知らぬまま夢のような一夜をともにして…!?

ここに君の味方は誰もいない。守ってやれるのは僕だけなんだ――両親の死後、悲しむクレオの前に突然、本当の親族だというスペインの大富豪が現れた。彼の名はドミニク・モントヤ。生まれついての支配者のように美しく尊大な彼は、『主人を誘惑したふしだらな使用人の娘』であるクレオを一族に迎え入れる気になったのだと言う。戸惑いの声を押さえつけられ強引にカリブの邸宅に連れ去られたクレオ。そこで彼女を待っていたのは名家に秘められた残酷な愛の物語だった!

初めて出会ったその瞬間から、彼女だけが僕の太陽なんだ――親友リッチの婚約者としてジェーンを紹介されたフォトジャーナリストのトリスタン。美しい彼女にひと目で惹かれたが、彼女は親友のフィアンセ、この気持ちを知られるわけにはいかない…。想いを抑えるためわざと冷たく振る舞うトリスタンだったが、リッチの浮気を知り、ふたりを破局に導いてしまう。それが彼の謀略とも知らないジェーンは、やさしく慰めてくれるトリスタンにいつしか心惹かれていくが…!?

君は今でも僕が必要なんだ。1週間でそれを証明してみせる――! 従妹の結婚式に出席するため訪れたメキシコで元夫の石油王ディロンと再会したアイビー。憎らしいほど自信に満ちたゴージャスな横顔――裕福に生まれついた傲慢な彼との価値観のズレを埋められず離婚にいたったアイビーは、以前と変わらないその姿を目にして凍りついた。できれば2度と会いたくない相手だったのに…。だが、ディロンのほうでは1度は自分のものだった美しい獲物を見逃す気などなく!?

「かつての所有物として君を取り戻す」この世で最も憎い男の言葉に、ケイラは打ちのめされた! いったいどれほど私を苦しめれば気が済むの――――父の会社を潰し、両親を不慮の死に追い込んだ、元夫デュアルド。もう2度と会わないと誓ったのに、弟が借金の取り立て人に襲われ、ケイラはデュアルドに頼るよりほかなかった。忌々しくもデュアルドは条件つきで借金の清算を承諾した。それはケイラとの復縁――妻として、ベッドのなかでも彼を満足させることだった!!

結婚紹介所<求む、妻>を通じて愛情抜きで結婚したアラナとリース。ふたりの心が通じあうのはベッドのなかだけ。だが、あるパーティーで夫の友人とダンスしていたら、驚いたことに夫は嫉妬に満ちた視線を向けてきた。変ね、彼が嫉妬なんてするはずないのに。そしてその夜交わした愛は、今までとは何かが違っていた。もしかしたら私たちの関係は変化し始めているの? だけどそれを確かめることはなかった。翌日、アラナは事故で記憶喪失になってしまい――…!

大富豪の娘として何不自由なく暮らすカットは、父から勧められた地中海クルーズの旅に出かけようと豪華な船に乗りこんだ。ところが彼女を待っていたのは、従業員用の小さな船室と、乗組員の食事の世話や掃除という労働。しかも船のオーナーは、慈善舞踏会の夜に出会い、彼女を軽蔑とともに拒絶した男性――実業家で元闘牛士のカルロスだった! そのうえこの旅は、娘の自立を願う父のさしがねだという。カルロスにこき使われ、再び屈辱を味わわされるなんて……。

逃がさないよ。ずっと昔から好きだったんだ――…ビジネスで成功した義理の弟ザックの看病のためカリフォルニアを訪れた看護師のミシェル。孤児として育った7歳年下のザックは美しいが気難しい性格をした子供だったが、2年ぶりに再会した彼はまるでギリシアの神のように逞しく魅力的な男性に成長していた。眩しい笑顔でミシェルをあからさまに誘惑する、以前と変わらないその態度も今は危険。彼の魅力に逆らえなくなる日が来るのは、本当は私にもわかっていたの…。

伯爵家の血をひくバイオリニスト、エラは“氷のプリンセス”と呼ばれ、楽団の男性から敬遠されていた。パリ公演後のレセプションで危険な香りのロシア人大富豪バディムに誘惑されるが、彼は有名なプレイボーイ。父親と同じように女性を大切にしない男だ。近づいてはいけないとわかっていながらも嵐の夜、欲望に燃える彼の熱い胸に身をまかせてしまう。しかし、無垢だと気がついた彼に「純潔の見返りに心を求められるのはごめんだ」と冷たい瞳でつきはなされ…!?

祖母の手術費用が必要なフラヴィアは、生まれて半年で自分を捨てた父親に頭を下げる。交換条件は社交界で父のパートナーとなり、理想の令嬢を演じること。介護にかかりきりで地味な私が!? 父の愛人に派手に飾りたてられた彼女がパーティーで紹介されたのは重要な客だという実業家レオン。完璧な容姿をもつが、父と同じ金の亡者に違いない。彼に媚を売り、有利な契約を結ばせるよう言われていたのだが、ひと目見た瞬間、フラヴィアの身体に甘い電撃が走った――。

父の借金返済のため、貴族の子息との便宜結婚を決意したフェリシティ。結婚式当日、悲壮な覚悟で玄関を出ると、ハンサムな運転手が出迎えてくれた。なんて素敵な人なの…。その魅力に思わず心が揺さぶられるが、夢心地を振り払って車に乗り込んだ。ところが車は、教会とは反対の方向へ猛スピードで走りだした! 突然の出来事に動揺するフェリシティに、運転手は冷たく光る漆黒の瞳を向けて言い放った。「もう逃げられないよ。」と。この誘拐は復讐の始まりだったのだ!

10年前、ブリタニーは父の暴力から逃れるために故郷を飛び出した。だが一緒に来てほしいと願った恋人のニックには裏切られ、ひとりロンドンでただひたすら仕事に打ち込み、癒えない心を抱えたまま出世していく。そして今再びブリタニーは複雑な思いのつまった故郷に戻ってきた。常務取締役昇進を左右するビジネスの契約を果たすために…。その相手はニック。彼もまた10年の間に大きく変わっていた。そして再会したふたりは過去の真実に向きあうことになる…。

1年前、クレアはボスのジェイクと契約結婚をした。彼は有能な個人秘書を求めていただけだが、ふたりはうまくいっていた。そんなある日、ジェイクと貴族の令嬢とのロマンスがスクープされる。別れを覚悟したクレアだが、彼はなぜかこの関係を終わらせる気配がない。私は都合のいい妻で、令嬢は愛人ということかしら。そんなの耐えられないわ! だって私は彼を心から愛してしまったのだから!これ以上、完璧な夫婦を演じるなんて無理よ。それならいっそ私から…。

エリンは一人前の記者と認めてもらうため、リッチでハンサムな「独身貴族図鑑」の特集記事を連載していた。だけど、どの男性も本性は傲慢で女好きのろくでもない人ばかり。そう、元夫と同じような。連載ラストの取材相手ジェイリッド・ウォーフィールドも、マスコミ嫌いの気難しい人で、もちろん高級ブランドの時計や靴を身につけている。――だけど彼は亡くなった義妹の遺児をひきとり愛情をこめて育てる男性だった。嘘、この世にそんな素敵な人がいるの!?

一夜の過ちでできた子供より最悪なのは、あなたを本気で愛してしまったこと――同僚の医師ベネデット・メディチは伯爵の称号までもつイタリア名家出身のプレイボーイ。貧しい家庭で誰からも顧みられず育ったカーチャにとって、人生を楽しむことに長けたゴージャスな彼は生きる世界の違う雲の上の存在でしかなかった。そう、愛する人を失い絶望に打ちひしがれるあの日の彼を見るまでは…。あの夜彼が私を求めたのは手近にいたから。ただそれだけだとわかってはいるのに…。

雑誌の広告で恋人を募集するなんて、そんな女性はまともじゃない! 娼婦のような女を弟に近づけるわけにはいかない。グレッグは広告主の<コーヒーガール>に会おうとしていた弟に代わって、話を断ることにした。ところが現れた<コーヒーガール>はとびきりの美人。なぜ彼女はこんな広告を? 一方、コーヒーショップのオーナー、ラナはルームメイトに応募してきたはずの男性の突然キスされて…? ◆雑誌をめぐり繰り広げられるロマンス全3部作スタート♪

キャットの伯爵だった夫は多額の負債を遺して世を去った。邸宅も農場もひきわたし、すべてを失ったキャットのもとに思いもよらない客が訪れる。ヒース――彼はキャットの父が養子として迎えた孤児だった。ふたりは幼い恋を育んでいたが、兄や村の人間からいわれのない差別と侮辱を受け、彼は10年前に家を出ていった。今の彼はさまざまな事業で成功し、見違えるほど立派になっていた。だが、伯爵家への復讐を誓って帰ってきたことを彼女は思い知らされることになる。

結婚式でアンの頭に、花嫁の投げたブーケがコツンと当たった。すると、式に参列していた有名小説家だという男性マーク・レインが「次の花嫁は君だね」と微笑んだ――。けれど現実のアンは、病身の父の世話に忙しかったせいで婚約者にふられたばかり。婚約指輪が指から抜けないせいで、相手がいると誤解されたらしい。マークは素敵な人だったけれど、もう会うこともないし…。そう思っていたのに数日後、ふたりは思いがけず海辺の美しい町で再会し?

兄弟3人で名門の自動車会社を営んでいるアントニオ・モレッティは、悩んでいた。あるF1ドライバーの名を冠した新車を発表しようとしたが、その名の権利をもつヴァレリオ家がストップをかけたのだ。実はこの両家にはいろいろと因縁があった。そして名称使用権の交渉にやって来たのが、ヴァレリオ社CEOの娘ナタリーだった。アントニオは彼女の美貌と冷たい態度に興味をもつ。もし交渉に応じないときは、彼に残された手段は誘惑のみ。この恋愛ゲームの行方は!?

ディジーは10代の頃、砂漠の国バラカットの王族サラーフと恋に落ちた。バージンも捧げて将来を誓いあったのに、若すぎたふたりの愛は激しすぎて、最後は互いを憎むようにして終わった。だが10年後、親友からの1本の電話がふたりを再び結びつけた。「お願い、サラーフを誘惑して。でないと私、彼と無理やり結婚させられる…」恋人のいる親友に泣きつかれ、ディジーはやむなくバラカットの地に降り立った。そこにはもはや少年ではない、シークとなった彼がいて…。

「よくこの国に来られたものだなリリー?」再会したアレックスの声は冷たかった。彼は私を許していないのね…。1年半前、ダイヤモンド諸島にある王国サフェイロスで、国王の甥である彼と恋に落ちたリリー。ある事情で姿を消した彼女が今、非難を覚悟で再びこの国を訪れたのには理由があった。それは息子ミカレスを取り戻すため。生後間もなく連れさられたミカレスは、前国王の子供として王国の継承者にされようとしているのだ。この子は私とアレックスの赤ちゃんなのに!

パーティー会場に現れた男性を見て、アテナは息をのんだ。ニコス! 愛しながらも別れを告げた人。地中海に浮かぶ美しい島アルギロス公国を捨て、アテナは必死になって、ここニューヨークで今のキャリアを築いた。なのに国王亡き今、王位の第1継承者となった私に帰国を迫るなんて。公国を救いたい彼の気持ちはわかるけれど、女王に即位なんてできるわけがない。話すことのできない大きな秘密を抱えたまま、10年たった今も彼を見るだけで胸は痛むのだから。

「君も一緒に来てほしい」エルサは突然現れたステファノスという男性の話に驚いた。4年前に親友夫婦が無くなり、エルサは残された娘ゾーイを育てていたが、そのゾーイが地中海のクリセイス公国の王位継承者だというのだ。父親が島国の生まれとは聞いていたけれど…。エルサはとまどいながらもわが子同然のゾーイのために養育係として島へと旅立った。まだ見ぬ美しい国と幼い頃夢みた宮殿への憧れと、そしてステファノスへの惹かれる想いを胸に秘めて。

暗闇のなか、エレーナは寝室に忍びこんできた何者かに不意に唇を奪われる。今まで体験したことのないようなキスに一瞬反応してしまうが、振り払った相手はイタリア人伯爵アンジェロ。彼はパーティーで紹介されたばかりのすご腕プレイボーイで、地味な自分とは違う世界に生きる人。どうやら情事を重ねていたエレーナの従姉と部屋を間違えたらしい。しかし、キスの現場を他の招待客に目撃されてしまったふたりは、騒ぎを恐れた伯爵の祖母に婚約を命じられて…!?

F1レーサーの花形ドライバー、マルコ・モレッティの勝利を祝う華やかなパーティーで、ひときわ目立つ美女がいた。彼女の名はヴァージニア。彼女は悲壮な決意でこの場に現れたのだ。それはヴァージニアの祖母がモレッティ一族にかけたある呪いを解くためだった。だが、そのためには、彼女がモレッティの誰かと愛のない結婚をして、子供を産む必要があった。そんなことはまるで知らないマルコは、ひと目で彼女に恋心を抱いてしまった。彼女の計画は着々と進行するが!?

「そこにいるだけで女が墜ちると思ってるのね」オークション会場で出会った謎の美貌の男性に誘われるままバーに行き、熱いキスを交わしてしまったカリー。絵画修復師の彼女は憧れの絵を競り落とせずに、自暴自棄になっていたのだ。だが、彼はキスの余韻を残して去った――翌日、カリーが受け取った一通のメール。それは地中海の公国のプリンスからの絵画修復依頼だった。その時、彼女は知らなかった。あの熱いキスの相手がプリンスで、彼の宮殿で憧れの絵画を修復することになるなんて――!?

田舎には似つかわしくない高級車で孤児院に乗りつけたハンサムな青年ルークは、ホームマザーのウェンディに「赤ん坊を預かって欲しい」と言い放った。しかしある事情で孤児院を辞めなければならないウェンディはその要求を受け入れられない。どうしても彼女に託したいと強く感じたルークは彼女をナニーとして雇い、妹と住む家を提供すると申し出る。だが、ウェンディが出した条件は彼も一緒に暮らすこと! 車嫌いのウェンディと車を愛するルークの恋は予想外の方向へ!!

婚約者に捨てられてふさぎ込んでいたケリーに、友人たちがニューオリンズの旅行をプレゼントした。旅の始まりに街の占い師を訪ねると、輝ける恋の冒険が待っていると告げられる。その夜、ケリーの隣の部屋で不審な物音が聞こえ、彼女が見に行くと男が飛び出してきた。見知らぬ女性が倒れているというのだ。恐る恐る部屋に入ると、そこに倒れていたのは、昼間ケリーを占った女占い師だった。男性はマットと名乗った。そしてここから思いもよらない冒険が始まる!!

「何とかするのが秘書の役目じゃないのか」メグの耳にボスのウィリアムの不機嫌な声が突き刺さった。ああ、最悪。今年最後の仕事を終えて、次の滞在先に向かおうとしているときに、ストで飛行機が全便欠航だなんて。出発もできず、さらに泊まるホテルも見つからない。途方に暮れたメグは、なんとか彼を説得して自分の実家に招待することにした。けれどふたりで実家に向かう道中、不安が頭をかすめた。公私混同は禁物だと必死で言いきかせてきた相手を誘うなんて…。

マディはギリシアのパーティーでゴージャスな海運王ディミトリと出会い、情熱的な恋に落ちる。しかも彼はイギリスに帰国したマディを追ってきてプロポーズしてくれた。1週間後に結婚式という早い展開に戸惑いながらも、あまりの幸運に信じられないマディ。だが、その幸せは長くは続かなかった。アテネの屋敷には彼の美しい幼なじみが待ちかまえていて宣言した。「彼が本当に愛しているのは私。あなたは子供を産めない私の代わりで、跡継ぎだけが目当てなのよ」

かつての恋人ルークとの突然の再会に、アリソンは動揺した。彼はアリソンを裏切り、無惨に捨てていった人。そして息子ネイサンの父親。2度と会うことはないと思っていたのに…。彼はアリソンが経営するホテルの投資者として現れた。さらに彼は傾きかけたホテルに協力する代わりに、ネイサンに会わせろというのだ。どういうつもり!? 私からまた何もかも奪おうというの!? 思いどおりにさせまいと、アリソンは固く心に誓った。彼の危険な魅力に気づかぬふりをして…。

モデルのソルカがパーティー会場で紹介されたのは業界の実力者ロマン・ド・ヴァロア。かつて彼にドラッグ漬けというあらぬ疑いをかけられ、彼女はファッション界から追放された。やっとの思いで復帰した自分をロマンが会社のキャンペーン・モデルに抜擢したいと聞いて驚く。何をたくらんでいるの? 私の人生を踏みにじった高慢な彼と一緒に、世界中を飛びまわる撮影旅行なんて…。ふたりきり夜のバルコニーで彼はソルカを熱く見つめ、ささやいた。「今すぐ君が欲しい」

アマンダは24歳。過去の苦しい思い出のせいで男性を避けていて、いまだバージン。ブティックで働くかたわら、チャリティ活動に力を入れている。今回の企画はセクシーな消防士たちのセミヌードカレンダーの制作。だが、1番のハンサムですばらしい身体のもち主、副署長のジョシュ・マーシャルだけは頑として拒みつづけていた。直談判のため署へ押しかけると、シャワールームから出てきたばかりの彼は全裸で「君が欲しい。ベッドに入ってくれるなら考えてもいい」と!?

身に覚えのない罪で突然身柄を拘束され、言葉を失ったジョージー。無実を訴えるも信じてもらえず、魅力的だが傲慢なシークレットサービスの監視下で生活することに。有無を言わさぬ冷たい眼差し、尊大なオーラさえ漂う長身、どんな行動も見逃すまいと常に追いかけてくる彼の視線が熱を帯びているように感じるのは、本当に私の思いすごしなのかしら……。 目に見えない敵に怯えるヒロインと美しく逞しいタフガイヒーロー。極限状態で出会ったふたりの愛の行き先は!?

歴史に名高い貴族の屋敷に招かれたシャーロット。他を圧倒するほどの美貌をもつサイモンは、彼女に夢のような週末を与えた。シャーロットはすっかり彼の虜になり、唇を奪われたときには、圧倒的な欲望に逆らえなくなっていた。高嶺の花とも言うべき男に激しく愛された歓喜の夜が明け、シャーロットは現実に戻らねばと自分に言い聞かせていた。しかし彼女はまだ知らなかった。この招待に隠された貴族の秘密の計画を! サイモンとの関係がさらに濃密になることを!!

名家の末娘カサンドラは過保護な両親の反対を無視しアフリカの医療をサポートする外科医チームの一員となった。戦闘地域も含まれた危険なプロジェクトだが、理想に燃える彼女には関係ない。しかし、メンバーのなかに思いがけない人物の姿を目にし、カサンドラは突然逃げ出したい気持ちに襲われた。誘うように燃える銀色の瞳に2度も騙されるわけにはいかない。ヴィダル・アロヨ・マルティネス――かつてすべてを捧げたカサンドラを冷たく拒絶し去った男性になんて!

マリアンヌは、街角で歌を歌って通行人に聴かせている。ある寒い雪の日、通りかかった裕福そうな男性から自分の家の家政婦にならないかと提案され、住みこみで働くことに。青い瞳が印象的の彼はエドゥアルドと名乗り、洗練された魅力に満ちていた。自分によくしてくれる彼にこたえようと、仕事に励むマリアンヌ。だがともに暮らすうち、垣間見えるエドゥアルドの孤独な心に触れたいと思いはじめてしまう。彼は私に同情しているだけの雇い主にすぎないのに…。
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