「平井寿信（ひらいとしのぶ）」の漫画・コミック一覧

3.11の時、私は関西にいて東北の方々がどのようにあの日々を過ごされたのか見聞や想像でしか知らなかったので、宮城県の都市部のご家族（妊婦さん含む）がどんな経験をされたのか知りたくて購入しました。
リアリティは伝わってきたのですが、読んでいくうちにうっすらと不快感のような気持ちを抱き、最後まで読みましたがそれが拭われることはありませんでした。
大変な思いももちろんされたのでしょうが、少しの非日常を愉快に描かれている感じがあって、それが私には合わなかったです。重苦しければいいというのではなく、ただ、真剣みが感じられなかったというか。
個人の感想ですので偏りがあると思います。ただ、読み返すことはないと思います。

この漫画家さんは相当恵まれており、さらにかなりラッキーな方だと思います。
東北出身の私の実家、友人、たくさん亡くしました。沿岸部のかたは生活の場も仕事も家族も失くしている方が多いです。
それをシニカルなつもりなのか、ヘラヘラと皮肉たっぷりでかなり恵まれている場所ですごしながら…文句を…。
内陸部の方も、避難所の固い床で寒い思いを何週間も続けた方も多くいました。

この作者を同じ被災者とは私はいいたくありません。
女川原発ですが、当時の市長が、無駄金と罵られながらもあの震災津波に耐えられる防波堤を作ったそうです。

誰でも想定の範囲内のガソリン、灯油、物資の争奪戦。そんな事しか書いてません。
お金払った事を心底後悔しました。

あの日の出来事や、その後の日々の出来事で、ちょこちょこ地震をギャグにされていたり、ニヤつきながら地震に対して対応している点、ご自分のしあわせを有難がっていながら、非日常の不便さを楽しんでいる点がとても不愉快でした。実際に体験していた方の中で、それを伝えようとするのなら、もうすこし考えるべきではないでしょうか。購入してしまった分を寄付に回せなかったことを残念に思います。

私は能登沖の震災を経験しました。世の中では"そういえばそんなのがあったね"と風化されています。規模は違いますが、突然の自然災害は見えない恐怖です。まだ東北は完全に復興したわけではありません。一日も早い復興を望んでいます。

絵が上手で読みやすいです。話も構成も上手で、記憶力もすごいなと感心します。奥さんも妊娠9ヶ月というときなのに家族みんな明るくこちらが元気になります。